僕は「デザインは、デザインの法則を知れば誰でもできる」と信じている。
綺麗とか、美しい、そして直感的にすごいと思うデザインには、対象(ヒトまたヒト以外)にとって“心地良い”法則が必ずあって、それを多く知ることでよいデザインが生まれる確率が高まると信じている。
【デザインの法則】
このシリーズは、普段デザインする上で意識している法則やルールを【デザインの法則】と称してまとめているシリーズです。
今回は「近接効果」について書いています。ぜひ見ていってください。
近接効果とは…
近くにある要素同士が、離れている要素同士よりも、より関連性があると認識される、人間の思考原理のひとつ。グルーピング(意味で分ける)、またはチャンキング(固まりで分ける)と同じカテゴリーに属するデザインの法則。
例えば、全校朝礼(懐かしい、何年前だ…)って1年 2年 3年って分けてその間は空間を空けてたじゃない?まさにあんな感じ。※グルーピングとも言えるかな、全校朝礼の例は。
例えば
この例では、円と円の距離の違いによって、縦のかたまり、1個の正方形のかたまり、横のかたまりって自然に入ってくるでしょ?(^^)
違う例で言うと
この例では、AとBは独立していると思うし、CとDは情報の一部を共有しているように見えるし、EとFの場合は、Eの情報の中の一つとしてFがあると思うよね。
近接効果は、要素の関係性をたやすく認識させることができる最強のデザインの法則の一つ
「近接効果」は簡単な原理だけど、デザインの基本法則といってもいいくらいに大事な考え方だよ。
近くにある要素同士は、一つのグループ、またはかたまり(チャンク)と認識されて、離れた要素よりもより関連性があると認識されるっていう仕組みなんだ。
だから、どんなに要素が入り組んだ複雑なデザイン(“オッカムの剃刀”の考えで言うと、複雑さよりも単純なほうが好ましいのだけども…)をする時でも、「近接効果」を意識しながらデザインするとうまく伝えたいことが伝わるデザインになるよ。
基本的なこととして、
- コントロール部分はデザインする場合、なるべくそれが作用する(フィードバック)要素の近くに配置する。
- ラベルやキャプションは説明する要素の近くに配置する。
- 無関係な要素や近くにあると誤解されるような要素は、離して配置する。
- 写真や図に要素(テキスト、イラストなど)を配置できるならやってみる。
があるので、そこは意識しながらデザインするといいよ~(^^)
コントロール部分のデザインは全部が全部、近くに配置すれば正解じゃないので、そこだけ一辺倒にならずに柔軟に対応してね!
実践編
例えば、行き先を示す標識を制作するとして、
上に行くと「A11方面」「B14方面」に行けて
左に行くと「S1方面」「N1方面」に
右に行くと「A9方面」「B6方面」に行けることを伝えたい場合。
下の図はどうかな?
これだと上に行けば「A11方面」に行けて、左に行けば「S1方面」「A9方面」に、右に行けば「B14方面」「N1方面」「B6方面」に行けるんだと間違って認識しちゃうよね(^o^;
どうやったらうまく伝わるか?皆さんだったらどうしますか?
一つの答え。こうすれば、意図通り伝わるよね(^^)
横のかたまりが自然にわかるよね。何よりもさっきのデザインに比べると、初めて見た時の「どうなってんの?これ」って考えるストレスが少ないよね。
まとめ
実践編で「近接効果」の事、わかってくれたかな?逆に、使い方次第ではさっきの例みたいに誤った情報を与えてしまうから注意してね。
ちゃんと伝わってるかな?って客観的に見る目。
デザインしている途中も本当にこれでいいのか?枠を広げてみたらもっと違う方向があるんじゃないか?
そういうことも意識するとさらにデザイナーとしてスキルアップできると思うよ(^^)
デザインって本当楽しいね~♪