僕は「デザインは、デザインの法則を知れば誰でもできる」と信じている。
綺麗とか、美しい、そして直感的にすごいと思うデザインには、対象(ヒトまたヒト以外)にとって“心地良い”法則が必ずあって、それを多く知ることでよいデザインが生まれる確率が高まると信じている。
【デザインの法則】
このシリーズは、普段デザインする上で意識している法則やルールを【デザインの法則】と称してまとめているシリーズです。
今回は「3分の1の法則」について書いています。ぜひ見ていってください。
3分の1の法則とは…
構図を決める際に、画面を上下3等分してデザインの重要な要素(タイトルやアピールしたい要素)を美しく配置する手法。
昔の画家たちが構図を決める際に格子を使用したことから黄金格子の法則とも呼ばれている。画面を上下左右に3等分して9つの矩形と4つの交点を作り、主要な要素を配置していく。すると非対称だけど面白みがあって一般的にも美しく見える。古典的だけど普遍的な手法のひとつ。
調べてみると、「3分の1の法則」はルネサンス時代の天才たち(ミケランジェロ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロなど)が使用していたため、そしてその比率が黄金比(黄金比については別の機会に)に近いため、廃れることなく使い続けられているみたい、ふむふむ。
画面を3等分した際の比率は黄金比とは正確には一致しない(3分の2は0.6666、黄金比は0.618)けど、単純で使いやすいのでバナーにしろメインビジュアルにしろ、最初に構図を考える際に僕は迷わず使ってるよ。
標識と電車が4つの赤い線の“交点”に配置されていて美しい構図だね。
実践編
論より証拠。実際にやってみよう~。
▼まずこんな背景があって、
▼こういう要素を配置する場合。
▼「3分の1の法則」を使うため、まずはガイドを引く…
▼そしたらあとは簡単♪
例えばこうとか
▼こんな風に“ストーリー”を持たせてもいいよね(^^)
注意点
たいていうまく機能して綺麗に見せられるんだけど、例えば一番重要な要素が構図のバランスを崩してしまうくらい強力な時、あるいは一番重要な要素が周囲の要素や空間によって強調される時は、「3分の1の法則」は使わず素直に真ん中に配置するのがいいと思うよ(^^)
▼例えばこれとか、花火が真ん中からずれたらちょっと不自然じゃない?
一番重要な要素が構図のバランスを崩さない時は、一番重要な要素を4つの交点の一番バランスがいいところに配置して、二番目に重要な要素を対角線上の交点に配置すると美しい構図になるよ(^^) あと、デザインに縦また横の方向性が強い要素がある時は、その要素を対応する格子線に合わせるのが一般的かな。
そうそう、Photoshopでガイド引く時、僕はGuideGuideっていうプラグインを使ってるよ(^^) 例えば「3分の1の法則」を使いたい時は、等分設定用の入力エリアに3って数字を入れて実行するだけで画面が3等分になるから超簡単~。